始業式ということで、

帰りは早かった。

凪が職員室に用事があると言ったので、

あたしは先に靴箱で待ってた。

すると、友達と一緒に、

吉谷君が現れた。


「おー有村じゃん」

「…今、帰り?」

「おう、お前は?帰んねーの?」

「友達、待ってる」

「そっか、気ぃつけて帰れよ?」

クラスの男子もバイバーイと手を振ったから、

あたしも振りかえした。

もう、友達作ったんだ。

すごいな……

確かにあんないい性格だったらね。

無理もないか。


そんなことを思ってたら、

凪が走ってきたので、

笑って、2人で桜道を歩いた。