あたしは黒板で座席を確認して、

何もすることがなかったから、座った。

廊下側の一番前の席。

つまり、出席番号1番の席。

吉谷君は…よ、だから、

きっと一番後ろだろうな。

後ろ、か。

どんな景色なんだろう。

そんな事を思っていたら、

「利奈ー‼︎」

聞き覚えのある、可愛らしい声。

「凪」

「ラッキー‼︎今年もよろしく♪」

彼女、長野 凪とは幼馴染みである。

去年もクラスが一緒で、

唯一あたしの病気を知ってる親友だ。

「朝、大丈夫だった?…」

小声で聞いてくる凪。

あたしは小さく頷いて、安心させた。

思いのほか、結構見られたみたいだ。

でも、あたしはこういう人だと思われてるから、仕方が無いのかもしれない。

と言っても、病気ということは知らないけど。