――「へぇ、死ぬんだ?じゃあ、私も一緒に死んじゃおうかな。この病院の屋上から飛び降りて、さ」


 この声は……私だ。

 この場面は?外?……いや、違う。どこかの建物の上?……病院の屋上?

 そして、私の目の前にいて、私と会話をしている人物は……。


「ぐ……あ……う……!」

「桃花、さん……!」


 ……そうだ。


 ――「あっ、僕は天霧春人です。ちなみに高校3年生です」


 春人、だ。

 なんで?どうして?どうして……春人が?私は以前、春人に会ったことがあるの?!告白されたあの時、私は春人と初対面じゃなかったのっ?!


 ――「ほら!やっぱりアンタの方が年上じゃないの!あっ、私は中学1年生ね」


 まだ学生だった頃の春人の表情が頭を掠めた瞬間、それがキッカケだと言わんばかりに、頭の中で次々と失われた記憶が再生されていく。


 ……思い……出した。

 全部、全部……思い出した。


 当時、大好きだった榊先輩に雪子ちゃんという彼女がいるって知った私は、告白をするという行動の前に、フラれたということが分かって……どんどんと塞ぎ込むようになっていったんだ。