「近くにある荒北高校のせい。」





「荒北高校…。」





爽一が何か感づいたように呟く。
私なんて聞いたこともないんだけど。





「荒北高校はね、普通の高校だから知らないのも無理はないよ。
だけど中身は実際不良の集まりで、ろくな奴らが揃ってないし。
生徒が数人被害も受けたことがあるから、生徒の移動にはチェックが厳しいの。」





「そんなとこがあったんだ…。」





「こんな噂知ってる爽一が私は怖いけど。
このことはあまり外部には漏らさないでよ?
舟山生徒の中も一部しか知らないことなんだから。」





苦笑いしながら話す若葉。





「そんな事なんで若葉ちゃんは知ってるんですか?
荒北高校の存在は知ってましたけど、信じられません私。」