「生徒会の人間と学校教職員は周知の事実だけど。」
それを今まで私は知らなかったと。
「若葉ちゃんごめんなさい、なかなか言い出せなくて…。」
「いや、言い出しにくい内容だしね。
そこはいいんだよ、うん。」
じゃあ、樹は叶わないことがわかってても好きでい続けてるの？
どうしてそんな顔していられるの。
…けど武藤先生のことは以上に嫌ってたような。
「婚約者って言っても今は教師と生徒だから、内密に頼むよ。」
「言われなくても、琉那の立場を悪くはしたくありませんので。」
私も武藤先生のことは、苦手だけどね。
けど琉那は好きだし。
私は樹が好きで、樹は琉那が好きで、琉那は武藤先生と婚約中。
素晴らしい一方通行の図。
