思わず体がよたついて、物音を立ててしまったので相手も私に気がついた。





『……。』





気まずくて話し出すこともできない。





「だから言ったろう、出て行くなって。」





「樹。」





呆れたように近寄ってくた樹。
なんであんたそんなに冷静なのよ。
琉那と武藤先生がキスしてたのよ!?
失恋みたいなものじゃ…!!





「混乱してるな、説明してやるからよく聞け。
二人は付き合ってるんだ、婚約者ね。
琉那が卒業したら結婚するんだ。」





「え…そうなの?
というかなんで知ってるの!」