そうだ。浮かれるな、私。

冷静になれ。だってこんな幸せな話、

簡単におきるわけないじゃない。

「は⁈んなわけねーだろうが‼

俺マジお前の事好きなんだよ‼

昔からずっと…。でも、俺、臆病だか

らよ、ずっと言えないままだった。

そしたら、どんどん綺麗になっていく

お前見てて、やべぇって思って勇気

振り絞ってこうして気持ち伝えたんだ

よ。わかってくれよ。」

叶汰……。なんだ。叶汰だってずっと

怖かったんだ。私と一緒で。

叶汰の気持ち…信じていいよね?

「叶汰……。実はね、私もずっと臆病

だから好きの一言が言えなかった。

……ご、ごめんね。私、叶汰のずっと

側に、幼馴染として一緒にいるのじゃ

足りない。彼女としていたい。

だからもう一度言うけど、本気でこれ

からよろしくお願いします。」

「え、本当⁇」

「本当。」

「マジで?」

「マジで。」

「お前は俺の事好きだし、俺の彼女に

なってくれんだな⁈」

「だ・か・ら、そうだって笑」

「ぅぉよっしゃーッ‼」

「ちょ、叶汰!いきなり抱きしめないで

よ!く、苦しい……。」

「お、おぅ‼わりぃ‼」

叶汰は物凄い力で私を抱きしめて、申し

訳なさそうに離してくれた。

「…あのさ、今宵。」

「ん⁇……ぇ。」

「俺さ、ぜってぇお前の事離さねぇから

。だからお前も俺から離れるなよ。」

そう言って次は私を優しく抱きしめてく

れた。その大きくなった腕の中は、

なんだか懐かしかった。

「当たり前じゃん。叶汰こそ、勝手に私

の前からいなくなっちゃったりしたら

ダメだからね。」

「あったりめーだよ。今宵より先に

死なねーから。」

すると叶汰は私の額に叶汰の額を重ねて

無邪気に笑った。その笑顔は昔からちっ

とも変わってなくてとても安心した。

一生手放したくないと思った。

世界一、愛おしいと思った。