「…ごめんね?」
長い沈黙を破ったのは、結局静香の声。
あたしは静香の次の言葉をただ待つだけ。
「あたし何となく気付いてたんだ、由香里の忘れられてない人」
「…え?」
予想外の言葉にあたしはただ聞き返すだけ。
「千夏の前では言いだせなくて…ごめん」
「ううん」
あたしただ首を振る。
今はただ、静香があたしの気持ちに気付いてくれたのが嬉しい。
静香はすべてを悟っているかのようだった。
けれどあたしを責めたりしない。
「ありがと、静香」
あたしは涙声でお礼を言う。
いいよ、友達じゃん?と静香は言う。
「一つ聞いていい?」
続けて静香が言った。
「今でもまだ好き?」