次の日。
朝起き上がった時から膝の違和感を感じる。
学校の移動教室でも気になる程で。
こういうものは気にし出したら止まらない。
こんなんじゃ今日の練習にも集中できるはずがないと思った俺は、顧問の元へと向かった。
もちろん膝が痛いなんて言ったら選考会へ影響が出るだろうから、そこは隠して。
親知らずが痛いから歯医者に行く、そう嘘をついた。
昨日の俺のプレーに腹を立てていた顧問だったが、すぐに信じてくれた。
むしろ昨日のプレーもそのせいだと思ったらしい。
俺はとりあえず一安心して、教室へと戻った。
念のため、今日は整形外科にでも行くか。
そう決めて俺は久しぶりに部活に参加せずに帰宅することにした。