すると突然。
「のわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「はい、俺の勝ちー。」
隣のコートから叫び声。
「びっくりしたー。」
「まじでうるさい、近所迷惑だよ翔太。」
「相変わらず元気ですね、そっちの副部長。」
「いつか近所の人から苦情きそうで怖い。」
2人でそんなことを話していると、本人がやってきた。
「くらげちゃんおはよ!!」
「おはよ、りんちゃん。」
叫び声をあげてコースをうたれていたこの短髪男子は林翔太。私は林を音読みして、りんちゃんと呼んでいる。
りんちゃんは英理同様この近辺に住んでいるらしく、入部した時からずっと朝練に参加している古株さん。
私は男子テニス部のなかで初めて話したのはりんちゃんで、クラスは違うけど仲良くさせてもらっている。
「やっぱりくらげちゃん定着なの?」
「もちろん!!だってなんといっても、このあだ名俺とガッキーの力作だし!!」
「くらげってキャラじゃないでしょこいつ。」
「ちょ、うるさい神谷!」
そう、なぜか私は最近くらげちゃんと呼ばれるようになった。私の苗字が海月で、くらげと読むかららしい。(命名したのはりんちゃんと英理で、英理はよく色んな人にガッキーと呼ばれている。)