「琴音、準備おっけー?」

準備ができたので琴音に聞いてみると。なんかひらめいた様子の琴音ちゃん。
「咲、先に行ってていいよー!咲だけに、なんつって!!」

ドヤ顔しながらくだらないこと言ってる琴音。
相当きもい。

「きもいです。」

「にょほほー!!」



なんなのこの子は。
あんたのほうがマイペースだろ。


そして琴音の格好をちらりとみると、まだ着替えている途中だったので私はひとりで靴を履き替えてコートに向かう。

「・・・うお。」


今日は風が強いのか、校庭にある木々が強めに揺れている。ボールうつの大変かもなぁ。






私と琴音は硬式テニス部所属。ちなみに私は副部長。なりたてほやほや。
先週、先輩達が最後の大会を終えた。

先輩達の代は不作の代と言われ、最後も惨敗だった。でも諦めない根性や心の強さはどこにも負けてなかった。
そんな先輩達が大好き。


そして、そんな先輩達が自分を副部長に推してくれたんだ。で、やらないなんて選択肢は私の中にはなく、今に至る。