「ああ、いたね」


3階の教室から見ても分かるような真っ黒な髪と長身。
だらしなく背負っているスクールバック。


「今頃かよー、もう5時限目始まるじゃん」

遥が笑うのも無理はない。
毎日ダルいといいながらも学校に来るのも、ただ、部活がしたいが為だろう。

「あいつもあいつでバスケ馬鹿だよね、無駄に顔整ってるし」

さよは忌々しげに顔を歪ませるが、その顔だって十分すぎる程整っている。



「やっぱさー、ゆうの周りってイケメン集まってくるんじゃね?オレ的な?」

「死ね!死ね小さいバスケ馬鹿!」