檸檬の香りに、顔を埋める。 柔らかな感触が、私の頭を撫でる。 音も無く、目から涙が零れ落ちる。 濡れた髪に、優しい言葉が降ってきた。 「ゆき、大丈夫。おばあちゃんが、魔法をかけてあげるから」 淡く、暖かな光に包まれ、私は、ゆっくりと力を抜いた。 「ゆき、いいことを教えてあげる」