火がついたように再び泣き出す女の子。

俺が話しかけた程度では、不安は拭えないらしい。

「ちょっと待ってな」

俺は向かいの通りにソフトクリームを売っている店を見つけ、そこに入っていった。

ソフトクリームを一つ購入、ついでにこのデパートの迷子コーナーの場所を店員から聞いて、再び女の子の所へ戻る。

相変わらず女の子は盛大に泣いていたが。

「ほら、食べな?美味いぞぉ?」

ソフトクリームを突き出し、笑顔で言ってやると、女の子はしゃくり上げながらもソフトクリームを一口ふくむ。

そして魔法にかかったように、一心不乱にソフトクリームを食べ始めた。

とりあえずこれで落ち着いてくれるだろう。

俺はこの子が食べ終わるのを待って、迷子センターに連れて行くことにした。