考えても考えても状況が改善される訳じゃない。

時間移動なんて、神様の領分だ。

ただの凡人たる俺に、努力してどうにかできるレベルじゃないのは、考えなくても分かっていた。

…どのくらい個室に閉じこもっていたんだろう。

一時間以上かもしれないし、意外と短い時間だったかもしれない。

とにかく俺は、個室を出た。

…男子トイレを出る途中、鏡に映った自分の顔を見る。

疲れきった、やつれ果てた顔だった。

精神的なダメージを負うのって、体力的なダメージを受ける以上にきついんだなという事を実感する。

ともかく、考えられる事はただ一つだった。

「これからどうしようかな…」