わたしは、自分を守りたかったんだ。


 
 いつも笑って。



 周りに合わせて。



 そうすれば、どうにかなる。



 わたしはせめて、学校を居場所にしたかったんだ。




 だけど、本当は、辛かった。




 演じたわたしが受け入れられるたびに、本物のわたしは不必要に思えた。




 誰にも求められないのが、怖くて、怖くて、怖くて―――。




 だから、終わらせようと思った。


 
 早くここから抜け出そうと思った。



 死を、選ぼうと、思ったんだ。



 大切なものはあった。



 けれど、それ以上に辛くて仕方なくて。






 「………ごめんね、優愛」






 本当に、一人ぼっちになってしまう、大切な妹。



 だけど、それでも、優愛の為に生きようとは、思えなかった。



 ごめん。



 本当にごめんなさい。



 ごめんね、優愛。


 
 いつも私の後ろを歩いてる、優愛のことが大好きだよ。



 ごめんね、ありがとう。






 優愛のこと、1人きりにしようとしてたの。



 辛くて辛くて、何もしたくなくて。



 それまでの夢も希望も、いらないと思った。



 捨ててしまおうと思ったんだ。



 それが、愛する妹に、一番ひどい仕打ちだとしても。


 
 わたしは、それ以外の選択肢はないと思ったんだ。






 あの時、貴方が救ってくれなかったら。



 わたしの悲しみに、愛する妹を巻き込んでしまうところだった。