「はい、わかりました!あ、今度の東京ドームのコンサート、親友と2人で当選したんで会いに行きます♡」

ライブか....。こうやって本気で楽しみにしてくれてる子もいるんだし、

ストーカーのこととか気にせずに頑張るか。

「おぉ。そうなんだ!うれしいなぁ。じゃあ、ドームで待ってるね。」

「はいっ。」

そう言って彼女はにっこり笑う。

そして俺は我に返り、急いで事務所へと向かった。



___事務所に着くと、メンバーたちはすでに到着していた。

「おせーよ海翔ぉー。」

「わりぃわりぃ...。ちょっといろいろあってね。」

一番に声をかけてきたのは中本龍陽。

こいつとはデビュー当時からの付き合いである。

「早くしないと時間なくなっちゃうよ。」

「早くしよーぜ!!」

「俺待ちくたびれて腹減ったー。」

次々に篠崎玲真、原航大、内山颯が声をかける。

「で、海翔。何してたの?」

いきなり、ニヤニヤしながら龍陽が言う。

「は?別になんだっていいだろ。」

「彼女でもできて、イチャイチャしてたとか?」

....なぜそうなる。

「んなわけねーだろ。彼女なんていないし。」