ひかるside


るかと偉人くんはどこにいったんだろう。

三浦くんと二人にして…


これじゃダブルデートって言わないじゃん!


だいたいなんで私がジュース買いに行かなきゃいけないの?

まぁ反抗しても意味ないね…



「ねーねー」


ん?



突然声をかけられて振り向く私


誰…?この人たち


知らない男の人五人くらいが私を囲んだ。



「今1人?俺らと遊ばない?」



そう言いながら1人の男に腕をつかまれる。


「あっあの…ちょっ離して」



「いいじゃーん。1人でしょ?なら遊ぼ。楽

しいよ?」



こ…これってナ…ンパってやつ?




怖い…


み、三浦くん…た、すけて



「三浦くっ」


「ごめん。コイツ俺の連れだから。離してく

んない?」



うそ…


三浦くん?


声のする方に振り向くと、少し息を切らした

三浦くんがいた。




「三浦くんっ!」



「チッ。連れいたのかよ。」


私を囲んでいた男の人たちはそういいながら

どっかへ行っていった。



「お前いつまでこうしてるつもり?」



ん?

ーーーバッ。


「うわっーーーー。えっと、これは…」




気付いたら私は三浦くんに抱きついていた。



「大丈夫か?怪我、してねぇ?」


「あ、大丈夫。」



な、んかいつもより優しい。


「…あっそ、なら良かった。」




走ってきてくれたんだ。



呼吸をととのえながら言う三浦くん。



「ありがとう。三浦くん」



「あぁ」



ーーープルプル♪




「あっ。るかから電話だ」



【もしもし】


【あっひかる?るかだけど今どこにいる?】


【えーっとプラネタリウムの近くの自販機の前かな】


【近いじゃん。今から合流しよ?】


【いいよ】


【じゃあ今からそっち行くから待ってて。】



【はーい】


ーーーープツッ





「三浦くん、今から合流だって」


「あっそ」


「大丈夫だった?」


「だ、だいじょうぶに決まってんだろ。

お前と二人きりじゃなくて喜んでる」


「あたしも。!アイムハッピーです!」


「フッ…なんだそれ。」


えみがこぼれる三浦くん

不覚にもドキッとしてしまった。

…あれ?なに、この気持ち…



「ひかるー!」


「あっ。るかー。今からどうするの?」


「お昼食べに行こっ。お腹空いたでしょ?」


「うん、そーだね。」













それからあたしたちはレストランでお昼を食

べた。



そして辺りをブラブラ…




気づけば外は日が沈むころになっていた。


「どうする?そろそろ帰る?」


偉人くんが三浦くんに聞いている。




「あぁ」



早く帰りたそうな三浦くん。


「んじゃ、俺はるかを送っていくから…瞬、お

前ひかるちゃんな?」



「はぁ?」



「あったりめーだろ。また明日!」




「バイバイ。ひかる!」


そう言って、るかと偉人くんはあたしと三浦

くんをおいて帰った。





今日怖いこととかあったから…1人で帰るのは

ちょっと心細いけど三浦くんに送ってもらうな

んて、そんな図々しいことできない。


「あ、あたし…こっちだから、じゃあね。」



「…送ってく。」



えぇ?


「い、いいよ!悪いし。」



「昼にあんなことあったのに、1人で帰らせ

るのは……、と、とにかく送ってく。」



「あ、ありがとう。じゃあお言葉に甘えさ

せていただきます。」


「ん。」



一応心配してくれた、んだ。












しばらくして家に着いた。



「送ってくれて ありがとう。」



「あぁ、じゃあな。」



三浦くんはわたしに背を向けて帰ってく。


…今日は、三浦くんの意外な一面も見れたし


怖いこともあったけど意外と楽しかったかも。



私は三浦くんの姿が見えなくなるまで

手を振った。