瞬side


息切れやば。

今プラネタリウム着いたけど時刻は11:50…


まだ10分あるし余裕だな。


「おっまたせー」


るかちゃんテンションたかっ!


まぁそーじゃないと偉人とは合わねーよな。



本当に岸本もいんじゃん。

るかちゃんの隣にいたら、なんかすっげー小さく見えるな。


ってか無駄な話ばかりしないで用事済ませて帰りてー。


「偉人早く行こうぜ」


俺はそういって歩きはじめた。


「瞬!俺とるかは付き合ってるんだから二組に分かれようよ。」


「それじゃダブルデートって言わねーよ」


「とにかく分かれよ!」


ひそひそ二人で話してた俺たちの声はるかちゃんと岸本には聞こえてないっぽい。



偉人は俺に笑顔でウインクをして


『じゃあ二組にここで分かれよう!また後で合流ね?』

岸本とるかちゃんにも聞こえる声でそう言って、俺と岸本を残して去っていった。


嘘…だろ。


ってか何この空気。


シーン




会話ねぇーんだけど。




「じゃあプラネタリウム行ってくるー」



「は?」


「お前1人で行ってどうすんだよ。」


なんだよコイツ。

「せっかく来たんだからさ俺を楽しませろよ。」


「だ、だいじょうぶ。プラネタリウム楽しいから!三浦くん初めて見るの?」



「あぁ」



「ちょー綺麗だから。もうすぐ上映時間だから行こっ。」



今チケット売り場で並んでる俺たちなんだけど隣で目をキラキラ輝かせている岸本。


ん?

コイツどこ見てんの?

「みてみてー!カップル席だって。いいなー



「お前とは座らない」


「いやいやあたしも三浦くんとは座りません!」


「じゃあ誰と座るつもり?」



「彼氏」


「いねーだろ」



「今はできないけど…いつかできるもん!」



「君はできないね」


っとか色々言い合いしてる間に


「あっ!始まったー。きれいだねー」



「別にー」


「初めて見るんでしょー?どう?」



「ふつー」



初めて見るプラネタリウムはすっごい綺麗だった。

まぁ曲がってる俺は普通としか言えねーんだけどな。



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「綺麗だったねー」



「ふつー」



岸本は俺の顔を覗きこむ。


っなんだよ




「本当は綺麗って思ってるでしょ?」



「思ってない」




「プラネタリウムだいすき」



俺の方を向いてニコッと笑う岸本、



「なんで?」



「あたしの家お父さんとお母さん海外出張で

いないんだぁー。お兄ちゃんはいるけど結婚し


ちゃって…だから今は1人暮らし。まぁそれが

結構寂しくて…そういうときにプラネタリウム

行くんだ。他にもつらいときとか…」



「まぁ俺も1人暮らしだけど?」


「そーなんだ」



なんでって聞かねーんだ。


うっざい女とかグイグイ話に入ってこようとするだろ。

コイツって他の女とは違うよ…な、



「今からなにする?」



なにするって聞かれてもな。



「なんか飲む?」



「そうだね」



「じゃあ金渡すから俺のも買ってこい」



「普通男の子が買ってきてくれるんじゃないの?」



「はぁー?俺めんどいし。お前行ってこいよ。」



「はいはい、わかりました」



岸本はため息をついて俺を睨んでジュースを買いに行った。





しばらく待っても岸本が戻ってこない。


電話電話


って知らねーわ。


10分くらい経ってんだけど…