瞬side



岸本ってどんなやつだよ。
俺のこと起こさずさっさ帰りやがって。

おっせー。
10分くらい図書室で待ってんだけど、、、


ーーーガラガラ


あっきたきた。

ん?

こいつ曲がり角でぶつかったやつ。

「名前は?」


「岸本ひかる」


うわっ。
こいつか。

「お前さ先週の木曜日ちゃんと俺のこと起こして帰るべきだろ。」


「すごい疲れてそうだったから。この前曲がり角でぶつかったときあたし遅刻したんだよ?」



「あっそ。」




「三浦くんってファンの子達にそんな話し方してないでしょ?」


「なんで」


「みんな三浦くんのこと優しいって言ってるもん」


「うん。でも今の俺が本当の自分。」


「なんで隠すの?」


「隠す…ってかめんどいから」


「隠す方が面倒じゃない?」

「別に」


「いいの?あたしに本性見せてるけど…」


「別に…だいたい今さら隠したって無意味だろ。」

「そう…だね」


他の女ならもっとキャーキャー言うんだけど…岸本全然言わねーし。

「お前は俺のことイケメンとか思わないわけ?」

岸本は俺の顔をじっと見つめてる。


「うーーん。イケメンだね」


「じゃキャーキャー言わねぇーの?」


「それは言わないよ。だってあたしの理想じゃないもん。」



「は?」

理想ってなんだよ。

「あたしは優しくて自分を守ってくれたり想ってくれたりする人がいいの!」


「そんなもんいるわけねーだろ。誰だって欲の1つや2つある…」


「絶対いるもーん。あたしの王子様!いなくても三浦くんみたいなのは絶対いやーー!」



「お前夢見すぎだろ。だいたい俺もお前みたいなのありえねぇーし。」


岸本は俺を鋭い目でにらんでくる。

そんなに俺嫌なこと言ってなくね?笑っ



「プッ」



やべっ。

こいつの顔見てたらなんか笑えてきたし。

「なんで笑うの。」


「お前、それで睨んでるつもり?」


睨めてねーし。

頬っぺたを膨らましてる、ただのゆでダコだろ。