今日はもうそろそろ上がりだ。
10時までだし今日は。

考えてたってしょうがないから元気よく帰るか!

「あがりまーす。マスターお疲れ様でーす!」

「由乃ちゃんお疲れ。」

と言ってサロンを外して
鞄を持って外に出る。

扉を閉めたら、そこにいたのはサングラスをかけたおしゃれな人。

この辺にはよくいる感じの人だけど、
歩いているのではなく、
扉の横の壁に寄りかかっている。

なぜか妙に冷静な自分。
なんだこれ?

でも、この人の正体の予想はついている。

だけど、だけどなんで?

私が今日バイトに入ってるかなんて、
この時間に上がりかなんてわからないじゃない。