はっきりうんと言えなくて、言葉に詰まっていると、

「ハッキリ言っちゃっていいよ。航太なんかすっごくびっくりしていたから。今でも信じられないみたいだけど。ホント、失礼だよね」

「それは、確かに」

 航太のことだから、結構ずけずけと言っているのかもしれない。

「でしょう?」


 陽菜は困ったように笑いながら、でも楽しそうだった。
 キッチンの中で忙しく動く様子にしばらく見惚れていた。



 航太も知ってるんだな。陽菜のこんな姿。

 俺だけに見せてくれたらいいのに。