「白河くんはコーヒーとかって、大丈夫?」

 陽菜がキッチンに立ちながら、俺に聞いてくる。

「うん」

 俺の返事を聞いた彼女が慣れた手つきで、コーヒーメーカーを使っている。

「どうしようかな。何にもないよね、クッキー焼いちゃおうかな」

 生地は冷凍してあったらしく、冷蔵庫から取り出して準備している。
 これまた、ものすごく手慣れている。

 お菓子だって手作りがおいしいのは知っているけど、
 それを陽菜が作るのが信じられない。