こういうやつと一緒にお茶しても、楽しくはないよな。

 弟のわがままと思えば、かわいいのかもしれないけれど。

「ということで、早く中に入ろ。僕寒いよ。すっかり体冷えちゃった。なんだか喉も痛いような、来週、模試なのに、風邪とかひいちゃったりしないかな?」

「えっ? 大丈夫? ごめんね」


 陽菜が心配そうに歩夢の顔を窺う。

 それ、ウソだろ。
 同情を引くような言い方しやがって。

「早く家の中であったまろうよ」

 そういいながら、陽菜の背中を押している。

「でも、白河くんが」

 俺のことを気にするように、振り返ってくれたけれど。

「かぜひいてたら、うつしたら悪いじゃん」


 俺のことを気遣っているように聞こえるけど。

 邪魔者は帰れって言っているのが、よくわかる。


 やっぱり、かわいくない。