「ううん。わたしの方こそ。びっくりしたでしょ? 歩夢ってまだ子供だから、たまに、ところかまわず甘えてくるの。ごめんね、ちゃんと言い聞かせとくから」
 

 子供? ホントか?
 陽菜は姉のような気持ちで、言っているのかもしれないけど。


「あいつ、中学生?」

「中1」

 やっぱり。もう男じゃん。
 小学生ならまだ、許せるけど。


「そうだな、あれはやめておいた方がいいと思う」

 男と女だから。
 2人がどう思っていても、幼馴染みだっていうならなおさらだろう。

「そうなの?」

 疑問符を浮かべた顔で陽菜が俺を見たから、

 
「うん」

 陽菜の瞳をじっと見て、大きく頷いた。

 好きな女の子が、別の男と抱き合っているところなんて見たくない。
 2人の間にどんな事情があったとしても。