あたしはタバコを吸っている人に近づいた。




その人達もあたしが近づいてくるのが分かったみたいだ。




「あ？・・・なんだお前？」





不良があたしを睨みあげる。





いつものあたしなら不良に睨まれたら震え上がっちゃうんだろうけど今は怒りが勝って怖くない。





え？なんでこんなにあたしが怒ってるかって？






そんなの決まってる。









あたしの前でタバコを吸ったからだ。







「あたしの前でタバコを吸いやがって・・・。」







「あたしが病気になったらどうするんだ！！」






「・・・・はぁ？」




不良がなに言ってんだお前、という顔であたしを見てくる。




なんだ、まだ分かってないのかこいつは！！






「知ってるか！タバコにはなぁ副流煙ってのがなぁ・・・『わー！すいません！すいません！こいつちょっとおかしくて今連れてくんで、すいませんでした！』
えっ、ちょっ、愛子！？」




あたしが熱く語ろうとしたら愛子に割って入られた。




あたしが愛子の顔を見ると愛子は不良達に見えないように怖い顔であたしをにらんだ。





ヒッ！！






愛子は美人さんだからそんな顔でにらまれるとめっさこわいのだ。





(あんた何やってんのよバカ！あとさき考えずに！こっちの身にもなりなさいよ！)





あまりの怖さにあたしはコクコクと頷くことしかできない。





すると愛子は不良達の方へ振り返った。





「ほんと、すいません。この"バカ"がお騒がせしました〜。」






そう言うとあたしの腕を掴み足ばやにその場を去った。