「 」で出来てく物語




【後夜祭1】



七世「……ここにいたんだ」


白雪「えっ、七世くん……? なんで……? ここ、屋上だよ。キャンプファイヤーで皆下に居るのに……いいの?」


七世「生徒が踊ってるの見ても別に楽しくないし。なんか知らないけど桜子が白雪のこと探してこいって言うから」


白雪「そ、そう……」


七世「…………」


白雪「…………」


七世「……お前のこと、探して連れてこいって言われたけど……やっぱやめた」


白雪「……どうして?」


七世「ここからキャンプファイヤー見てるほうが綺麗だから」


白雪「そうだね……綺麗だね」


七世「……白雪は行った方いいんじゃないの? 桜子いるし」


白雪「……ううん、今は……ここにいたい」


七世「そ」


白雪「うん……」


七世「…………」


白雪「………七世くん」


七世「おー」


白雪「七世くんはいつも優しいね」


七世「なに、急に」


白雪「ううん、なんとなく」


七世「……変な白雪」


白雪「文化祭楽しいから、テンション上がっちゃったのかも」


七世「俺も楽しかったよ。別にテンションは上がらないけど」


白雪「七世くんらしいね」


七世「…………」


白雪「……へへ」


七世「なに笑ってんの」


白雪「うん……幸せだなって」


七世「幸せ?」


白雪「そう」


七世「やっぱお前変だよ今日」


白雪「……うん」


七世「…………」


白雪「ねぇ、七世くん……」


七世「おー」


白雪「…………」


七世「?」


白雪「好きって言ったら……迷惑?」


七世「…………」


白雪「迷惑……かな」


七世「……迷惑」


白雪「です……よね」


七世「…………」


白雪「……ごめんね」


七世「ほら、可愛いから」


白雪「えっ」


七世「意地悪したくなる」


白雪「っ……!」


七世「顔赤いよ」


白雪「だ、だって……え!」


七世「可愛いね」


白雪「……っ、七世くん……」


七世「何ですか」


白雪「それって……」


七世「……告白ですけど」


白雪「! ……好き……ですか、私のこと」


七世「……好きですよ」


白雪「……わたしも……好き、です」


七世「じゃあ付き合いましょうか」


白雪「……っはい」








【後夜祭2】



桜子「七世が遅い」


春太「自分で白雪のとこに仕向けたくせに何言ってんだよ」


真白「案外上手くいってるんじゃない?」


春太「縁起でもねぇこと言うなよ! 白雪が七世のものになったら俺らの学校のマドンナは誰になるんだよ! 夢も希望もねぇよ!!」


桜子「早くくっつけばいいのにってあんたも言ってたじゃない! どっちなのよ!」


春太「だってあいつらが両想いなのなんて、この学校で知らないの当人たちだけだろ!! 見ててむずがゆいんだよ!!」


真白「落ち着きなよ2人とも……ていうか、暇ならこんなとこにいないで踊ってくればいいのに」


2人「「絶対やだ!!」」


真白「もう……って……あれ? 鈴木?」


鈴木「! た、たすけて」


春太「何事だよ」


桜子「誰かに追われてるの? 鈴木さん」


鈴木「……あの変なの」


真白「変なのって……」


雅「蓮ー!! 俺の蓮ー!」


真白「……本当に変だった」


桜子「あ、あれって……隣のクラスの」


春太「お前知ってんの? あの金髪」


桜子「えぇ、何かと問題児だから……よく生徒会の会議の議題に出てくるわ」


雅「蓮みっけ! よし! 踊るか!」


鈴木「……わたし、中原くんと約束してるもん」


真白「!?」


雅「なんだって? 中原って……どれだよ」


鈴木「これ」


真白「!?!?」


春太「こらこら、罪もなき真白を巻き込むなよ。困ってるなら普通に助けるから」


鈴木「……うん、ごめん中原くん」


真白「あぁ、うん。俺は大丈夫だけど……この人は? 鈴木の友達?」


雅「彼氏です!」


鈴木「同じ学校に通ってる人」


春太「2人の認識の差がおかしい」


真白「えっと……名前は?」


雅「あ? 俺? 右佐喜 雅! 見てのとおり蓮の恋人だ」


鈴木「見てのとおりただの同級生です」


真白「……もしかして右佐喜くんは鈴木のことが好きで、告白されてるとか?」


鈴木「告白というか……求婚というか」


春太・桜子「「求婚……!?」」


雅「結婚出来るのは18歳からだが、プロポーズするのに年齢は関係ねぇからな」


春太「すごいのに捕まったな鈴木」


桜子「珍しく同情するわ」


春太「つーか、隣のクラスにあんなん居たんだな右佐喜……だっけ? あんまり見たことねーんだけど」


桜子「見てのとおりヤンキーだから、喧嘩やら問題やらを常に起こして停学の常習犯よ。だからあんまり学校には来てないみたい」


春太「そういうこと」


雅「あ! 蓮がまた逃げた!」


鈴木「追っかけてこないでよ」


雅「鬼ごっこだな! 待てよーこいつー!」


春太「………気の毒に」


桜子「なんていうか……あんたがマシに見える」


春太「どういう意味だよ」







【後夜祭3】



鈴木「もう、追っかけてこないでって言ってる」


雅「だってお前に会うの久しぶりなんだもん」


鈴木「そんなの、自分が停学してるから悪い」


雅「好きで停学くらってるわけじゃねぇし。学校が悪い」


鈴木「そうやって喧嘩ばっかしてるとこも、自分が悪いって認めないとこも……好きじゃない」


雅「……蓮」


鈴木「だいたい、結婚とか言われても普通に考えて無理。わたし恋とかよく分からないし」


雅「じゃあ、俺が教えてやる」


鈴木「……不要」


雅「俺だって……好きで喧嘩してるわけじゃない」


鈴木「じゃあどうして?」


雅「この目つきの悪さだろ、両耳についてるピアスだろ、金髪だろ、短ランだろ……ダメだ。不良に目をつけられる要素が多すぎて……絡まれるんだよ。そしたら喧嘩しないわけにはいかないだろ」


鈴木「目つきはともかく……他はやめればいいんじゃない。ピアスはずして、黒髪にして、普通の制服着て」


雅「……このスタイルがかっこいいからヤダ」


鈴木「………もういい、逃げる」


雅「あー! 逃げるなって!」


鈴木「離して」


雅「離さない」


鈴木「雅くんのことは好きじゃない」


雅「でも俺は蓮が好きだ」


鈴木「そんなの雅くんの感情の押し付けでしょう」


雅「そうでもしないと、本当に欲しいものは手に入らないから」


鈴木「勝手だね」


雅「うん、不良の世界は弱肉強食だから」


鈴木「意味わかってる?」


雅「あんまり授業出てないからよく分からない」


鈴木「………とにかく、離して」


雅「やだ」


鈴木「お願いだから……今は離して」


雅「……今は?」


鈴木「……鬼ごっこなら、たまにしてあげるから……今日は逃げる」


雅「蓮!」


鈴木「だからもう追っかけてこないでね」


雅「わかった! 今日はもう追いかけない! また明日な蓮!」


鈴木「……たまにって言ったのに」








【名前】



春太「なーんか文化祭終わるとさ……寂しいよなぁ」


真白「そうかな、またひとつクラスの皆が仲良くなってこれからが楽しくなる気がしない?」


春太「お前ってやつは……どうしてそんなに純粋で素直なんだ……」


七世「それを着々と汚しつつあるのはお前だけどな」


春太「うっせーやい。片付けも終わって、なーんか……呆気なかったっていうか」


真白「もしかして花子さんコスにハマってしまったとか」


七世「……ありえる」


春太「ねーよ!! 変態か!!」


七世「否定はしない」


春太「……。薄情な奴らだ。俺は寝る」


真白「そういえば……今期の文化祭で、3年の生徒会役員は引退だよね?」


七世「あー、今度からは2年の生徒会役員がいろいろ進めていくんだっけ」


春太「え、そーなんだ。俺らの時代キタこれ」


七世「寝るんじゃなかったのかよ」


春太「そうやって俺を仲間はずれにしようという魂胆が見え見えなんだよ。寝ないもんね。起きてるもんね」


七世「自分から寝るっつったくせに。ぶりっこするなよキモイ」


春太「なんだよお! 真白がぶりっこすれば喜ぶくせに……!!」


真白「!?」


七世「喜ぶか」


春太「ていうか、新しい生徒会長って誰になったの? 2年てことは俺らの学年の誰かだろ」


真白「桜子は……違うかな? 副会長を続けるって言ってたし」


七世「あー……なんだっけ。確か隣のクラスの人。白雪がなんか言ってたような……」


春太「よし、思い出せ! ここまできたらなんかもう気になる。意地でも知りたい!」


七世「………アサダ?」


春太「アサダ! よし! 苗字はアサダだな!」


七世「いや、待って……なんか違う」


真白「アサダなんて人、隣のクラスにいたかなあ……」


七世「ユカワ……アサイ……コバヤシ」


春太「待て待て、その3つの苗字に共通点無さすぎんだろ。コバヤシに至っては普通に覚えられるレベルだし」


七世「…………興味無さすぎて忘れた」


春太「っおい! ここまできてかよ! あーもう、モヤモヤするわー。この半端な感じ一番嫌だわー」


真白「まぁまぁ、後で桜子に聞いてみようよ」


春太「新しい生徒会長ねぇ………どんなんだろ」


七世「……さぁ」









【生徒会】



桜子「湯浅くん、文化祭の資料こんな感じでいいかしら」


湯浅「あぁ、目を通しておくから置いといてくれる?」


桜子「分かった。あんまり無理しないでね、病み上がりなんだから」


湯浅「大袈裟だな、藤咲さんは」


桜子「だって湯浅くん……あ、今度からは会長って呼んだ方がいい?」


湯浅「いや、いいよ。藤咲さんとはずっと生徒会で一緒にやってきたし……今さらそんなかしこまられても……」


桜子「えー、どうせなら呼びたいじゃない?」


湯浅「……好きにしてくれ」


桜子「ふふ、じゃあ会長だ。あまり無理しないでよ。身体弱いんだから」


湯浅「そ、そんなんじゃない! ちょっとなんというか……健康をやや損ねているというか……」


桜子「無理に難しい言葉で表現しなくてもいいのに。インフルエンザにようれん菌に胃腸炎に、ノロウイルス……あ、マイコプラズマ肺炎にもなったわね」


湯浅「ふ、藤咲さん……」


桜子「何かしらの流行り病にすぐかかっちゃうんだから」


湯浅「……まぁ、そういう体質であることは認めるよ」


桜子「せっかくの3年の先輩方の最後だったのに、文化祭も高熱でぶっ倒れて休んじゃうんだから」


湯浅「それは本当に……面目ない」


桜子「まぁ、行事の度に何故か会長がそうなるのはもはや恒例化してきてるから、慣れたけど(笑)」


湯浅「そんなのに慣れられても困る! それに、次からは本当にちゃんとするつもりだし。だって……俺、もう会長だから」


桜子「……頼もしいわね」


湯浅「…………」


桜子「……どうかした?」


湯浅「……ううん。藤咲さんには、いつも迷惑かけてる」


桜子「ふふ、副会長ですからね。会長のフォローはちゃんとしますよ」


湯浅「うん、すまない」


桜子「じゃあ、仕事しますか」


湯浅「もちろんだ」









【湯浅 桐生♂−ゆあさ きりお−】

4月27日生まれ A型 173cm

何かと流行り病にかかる生徒会長。
根は真面目なのに何かと残念な人。

好き→天文学・星

嫌い→下ネタ






【恋愛相談】



雅「蓮! 一緒に飯食おうぜ!」


鈴木「許諾しかねる」


雅「きょ……きょだ、きゃだく? 誰か英語の通訳呼んで!」


鈴木「日本語」


雅「あぁ、あれだろ? ウェルカム的な意味だろ」


鈴木「全然違う」


雅「あ、おいどこ行くんだよ!」


鈴木「トイレ。さすがにトイレまでついてきたら本気で嫌うから」


雅「う……」







春太「おい、バカ! 目を合わせるな!」


真白「で、でも……ひぇ~! こっち見てる! 捨てられた子犬みたいな目ですごくこっち見てる!!」


七世「弁当で顔隠せ」


春太「うぉー……! 歩いてきた! 弁当の隙間からめっちゃこっちに向かって歩いてきた!」







雅「なぁ、俺のどこがダメなんだと思う?」


七世「ほぼ初コンタクトなのにすっげー馴れ馴れしく恋愛相談してきた」


真白「えぇっと~……右佐喜くん? だよね?」


雅「雅でいーよ。君らなんかよく蓮とつるんでる人達だろ?」


七世「つるんでるっつーか、絡まれてるっつーか」


雅「君は知ってる。この前蓮が言ってた中原って人」


真白「あ、うん。真白で大丈夫」


雅「真白ね。じゃあこっちはあれだ。モテるって噂の間宮 七世」


七世「……はぁ、まぁ」


雅「君は…………佐藤」


春太「分かんねーからって、なんとなく当たればいいやと思って多い苗字で呼んだだろ」


雅「ぶっちゃけ蓮以外の人の名前はどうでもいいんだ」


真白「重症だ……この人」


雅「誰かこの迷える子羊を助けてくれよ!!」


春太「本当にヤンキー? この人ヤンキー? あの喧嘩し放題で退学寸前の? そういうのって、もっと一匹狼的な、クールで気取ってる感じじゃないの?」


真白「例外も居るんだよ、きっと」


雅「ぶっちゃけ喧嘩だって好きでしてるわけじゃないんだ。蓮にも嫌がられるから出来ればしたくないのに……」


春太「じゃあ、しなきゃよくね?」


雅「喧嘩は好きじゃないけど、ムカつく相手をボッコボコに殴り倒すのはいい気分だからなあ……それはちょっと」


春太「アホなだけで根はヤンキー魂持ってるわこの人」


雅「とりあえず蓮と結婚できる方法を一緒に考えてはくれないか」


真白「それ以前にいろいろ問題があることを誰かに教えてもらった方が……」


雅「大丈夫だ。俺にも蓮にも欠点がないところが欠点だということは重々承知している」


春太「ポジティブ過ぎてなんかもう……」








【ホームセンター】



春太「なんでせっかくの休みに野郎3人でホームセンターなんだよ。せめて人目につかないところでほそぼそと生きていたい」


真白「新しい棚が欲しいから一緒に見に行こうって言ったの春太じゃーん。俺寝てたかったのに」


春太「うっせーやい! 睡眠と春太。大切な方を選ばなきゃいけない時もあるんだよ」


七世「悩みに悩んで俺は睡眠を選ぶ。帰る」


春太「待てよぉ! 頼むよぉ! 部屋に棚を置きたいんだ……たとえこの身が朽ち果てようとも」


真白「話がおもっ……なんで棚一つでこんなに頭下げられるのこの人」


七世「ただ構ってほしいだけなんだよ。そっとしておいてやれ」


春太「……構ってほしいし、棚が欲しい」


真白「……じゃあ早く棚のコーナー行こうよ。どこら辺だろう……」


七世「あっちじゃないの……あ」


真白「七世?」


春太「おい、どうした。熊でもいるのか」


七世「……熊はいないけど、桜子が居る」


春太「は? なんでアイツ? てかそれ熊みたいなもんだろ」


真白「失礼でしょ、絶対ぶっ飛ばされるよ……白雪と?」


七世「いや……桜子がオトコと居る」


2人「「……!?」」


春太「は? どれ? ドコ!」


七世「棚んとこ」


真白「えっ……あ! ほんとだ! 誰だろう」


七世「もしかして」


真白「……浮気」


春太「……なんで2人揃って俺を見るんだよ! 別にアイツと付き合っちゃねぇよ!! 浮気でもねぇ!!」


七世「っち。まだだったか」


春太「舌打ち聞こえてんぞ。まだってなんだよ、まだって」


真白「棚の方見てるからあんまりよく顔見えないなあ、相手の人」


七世「髪長いな、なんかどっかで見た」


春太「ど、どこでだよ……」


七世「……気になる?」


春太「あ? んなわけねぇだろ」


真白「じゃあその目細めてめっちゃ見ようとしてるのにやめなよ」


春太「ドライアイなんだ」


真白「じゃあ目細めてないで瞬きしなよ。死んじゃうよ」


七世「てか、普通に俺らも棚見たいし早く行こうぜ」


春太「は! あそこに!?」


七世「早く帰りたい」


真白「別にやましいこともないんだし、普通に話しかければいいと思うけど」


春太「……お、お前ら行けよ」


七世「中学生のノリみたいなこと言うなよ。ほら行くぞ」


春太「……っ」


真白「春太変な顔~」








【棚】



桜子「ごめんね会長」


湯浅「まだ言ってるのか? 別に大丈夫だよ。もともとあの棚壊れそうだったんだし。そろそろ買い替えた方がいいって先生にも言われてたから」


桜子「まぁ……でも資料重ねすぎて壊したのはあたしだからなあ」


湯浅「あの資料をそこに置いてって言ったのは俺だし。お互い様じゃない?」


桜子「でも会長、先生には自分が壊したって報告したでしょ」


湯浅「……忘れた」


桜子「真面目な会長がそんなこと忘れるか! あーぁ、なんだか悪いなー……」


湯浅「まぁ、だからこうやって新しい棚探し付き合ってもらってるんだから、いいんじゃないの? もうこの話は終わり」


桜子「……強引だ」


湯浅「これでも生徒会長になったからね。使える権限は使っておく」


桜子「なんて横暴……」


湯浅「君もよくめんどくさい事は暴力で解決しようとするだろう……それこそ横暴だ」


桜子「それ言わないでください。まじで。おしとやかな副会長のイメージ壊れるんで」


湯浅「クラスが違うからか、君が他の人と話してるところはあまり見たことがないが……俺以外にはそういう設定で通ってるのか」


桜子「そんなあからさまに引かないでよ……」


湯浅「…………」









春太「……よ、よお」


桜子「……!?」


湯浅「?」


春太「デートか」


桜子「なんであんたたちここに居るの!?」


春太「あれだな、もうすぐ秋も終わるからな」


桜子「最悪のタイミングだわ……」


春太「あ、そういえばお前明日生物の課題見せろよ」


真白「…………」


七世「……噛み合った会話をしろよお前ら」


桜子「…………」


湯浅「藤咲さん? 彼らは……」


桜子「えっ……あー……クラスメイト? の三門くん、間宮くん、中原くんです」


春太「三門くん……!?」


真白「中原くん……!?」


七世「間宮くんって……桜子にそんな優しい呼び方される日が来るとは」


桜子「……あんたたち余計なこと言ったら全員の舌噛みちぎるから」


真白「笑顔こえぇ……!!」