「翔平、大丈夫? ごめんね。こんなこと言っちゃって……」

「いや、俺がいつでも話してって言ったんだから。そんなことが本当に起こるなんてまだ信じられないな。でも、実際に人が死んでるし……」

翔平の頭が混乱しているみたい。

「だから、翔平も気をつけてね?」

「ああ。でも気をつけろって言ってもなぁ。それだけの力があるんだから、いざとなったらなにも出来そうにないな」

「そうなんだけどね……とりあえず、玲奈のお兄さんの連絡を待ってるの。力のある霊能者に聞いてくれるって言っていたから」

話しで時間がかなり経ってしまった。

「戻ろう?」

そう言った時、合宿所からみのりが出てくるのが見えた。

「亜美!」

手を振りながらみのりが駆け寄ってくるのが見えて、あたしたちも歩き出した。

「おそっーい! 何してたのよー」

「ごめんね。道にけっこう大きな石があったから、それを取り除いていたら時間が経っちゃってたみたい」

ちょっと苦し紛れの言い訳。