次の日


いつもの朝


いつもの通学路


天気は晴れ




いつもと同じじゃないのは、



私の心。



学校に行くということは、吉井に会うということだから、

さっきからドキドキして歩き方もぎこちない。



坂を上って信号を渡り、


まっすぐ学校へと歩いていたら、



キキーッと自転車が目の前で止まった。





「吉井........」





吉井は自転車に乗ったまま、私をちらっと見た。





その瞬間、昨日のことを思い出してしまって、

顔面が一気に熱くなってしまい、


下を向いて、吉井をそのままにして校門へとダッシュした。




恥ずかしい。


恥ずかしすぎる。



どうしよう、意識しすぎて普通でいられない。




走って走って、校門を通り過ぎたところで息切れして走るのをやめて、

ゆっくりと歩いた。




すると後ろからリュックをガシッと掴まれて、

恐る恐る振り向くと、自転車に乗った不機嫌そうな顔の吉井がいた。




「何逃げてんだよ」




「べっ、別に逃げてないし」




吉井はリュックから手を離して自転車から降りた。




そして、私の腕をギュッと掴むと、




「ちょっとこっちこい」と、駐輪場の方へと私をぐいぐい引っ張って行った。