泣きそうな気持ちを、ぐっとこらえて、
お母さんにお父さんへの想いを話した。
こんなこと、自分のお母さんにも言ったことないのに、
どうしても、吉井のお母さんに伝えたいと思った。
「麻琴ちゃん........」
「だから、お母さんの気持ち、痛いほどわかります。
きっと吉井......くんも、お母さんの気持ち、
ちゃんとわかっていると思います。
とても優しい人なので、
絶対に、わかってます」
お母さんは目をこすって、涙を拭った。
「麻琴ちゃんって、心が温かい子なのね.........」
「えっ、そんなことないです。
言葉遣い悪いし、かわいげないし、
素直じゃないし.......」
お母さんは目を真っ赤にしながら、くくくっと笑った。
「瞬のお嫁さんに来て欲しいぐらいだわ」
お、お嫁さん????????
「そっ、そんな!!吉井がっ!!あっ、吉井くんが嫌だと思うので!!」
「そうかしら?そんなことないと思うけど」
お母さんは、笑いながらまたゲームをしている二人を眺めた。
それから、
航太がお菓子を食べにテーブルの方に来て、
またゲームをして爆笑して。
あっという間に夕方になり、帰ろうとしたら、
航太がまだ帰りたくないと駄々をこねた。
「また来ればいいだろ」