えっ..........
髪が長くて、
お洒落で、
綺麗な人..........
吉井と並んでいる姿を見て、
絵になる......なんて思ってしまった。
私は思わず自販機の影に隠れた。
目の前を二人が通り過ぎて、
ズキッと、胸が痛んだ。
彼女.....かな。
じっと見つめていたら、
急に吉井が振り向いて、びくっとしてしまった。
吉井は彼女に何か言って、
こっちに向かって走ってきた。
わっ、なんでこっちに来るんだよ!!
私は走って駅の中に入っていった。
ぐっと後ろからリュックを掴まれて振り向くと、不機嫌そうな顔で立っている吉井がいた。
「なんで逃げんだよ」
「逃げてませんけど!!」
「逃げてんじゃん、めっちゃ走って」
「走ってないし......」
苦しい言い訳だ。
逃げたし、めっちゃ走ったし。
「彼女、置いてきちゃだめじゃん、バカ」
下を向いて、不貞腐れながらそう言うと、
頭の上から、「はぁぁ」と深いため息が降ってきた。
「バカはどっちだ、ばぁーか」
ばっ、バカってっ!!
くっそぉーっと思った時、
頭に大きな手をのせられて、顔を上げた。