「だからさぁ~鈴音ちゃん、新商品のアイデア出してねー。出来れば今日中に」
「ちょっと待って下さいよ!どうして私なんですか?白ポチャかヒョロ黒に考えてもらえばいいじゃないですかー」
「あぁ~彼達は他のバイトで忙しくてね……頼み辛くって……」
「バイトって……この会社の社員じゃないの?」
「うん……まぁ、一応、社員なんだけど……。ここの給料安いから生活出来ないってアルバイトしてるんだよ」
「なんじゃそりゃ」
社長の話しによると、どうやらここ数ヶ月売り上げがなく給料を支払ってないらしい。
「マジですかー!じゃあ、私の給料も出ないってこと?」
怒鳴り散らす私に社長はブンブン首を振り、私がいいアイデアを出して商品が売れれば大企業の重役並みの給料を出すと胸を張る。
「ホントですか~?」
「ホントだよー。このアメが大ヒットした時は、給料100万だったんだからー」
そう言って、あの変態アメを指差す。
「ひゃ、100万?この変態アメが……100万?」
断然、ヤル気になってきた。
「考えます!私が変態アメを超える商品を考えてみせます!」
意気込んでそう言ったものの入社2日目の私にエロ心をくすぐる商品なんて思いつくワケもなく気付けばもう夕方。
「鈴音ちゃん、まだ?」
お気楽な顔で催促する社長にイラッとして、てめぇも考えろ!!と思わず怒鳴りそうになる。