「あ゛……」


なんとなくだけど、見られてはいけない場面を見られた様な複雑な気分。


「あ、あのですねーコレは別に変な意味ではなく、ただお腹がすいてたからで……」

「ヤラしい顔して舐めまわしてたのに?」

「ヤラしいなんて失礼な!普段からこんな顔です」

「そんなアメより、本物の方がいいんじゃないのか?」

「ほ、本物?」


反射的に彼の股間を凝視してしまい慌てて目を逸らす。すると私の視線の動きを目ざとく観察していたのか、おこちゃま詐欺師野郎がほくそ笑みズボンのファスナーに手を掛け言った。


「見るか?」

「うわわわ!そんなモン見せるな!変態!」

「そんなモン?お前こそ失礼な奴だな。俺のは凄いんだぞ」


凄い?何が凄いの?長さ?太さ?形?色?


見せるなと言ったものの何気に興味津々。だって、エロ本ではアノ部分はボカしてあってよく分かんなかったから……


「じゃあ、ちょっとだけ見せ……うひゃ!!」


――――それは、あっという間の出来事だった。


突然私の左手を掴んだおこちゃま詐欺師野郎が自分の股間にその左手を押し当てたんだ。


手の平に感じるプニョプニョとした軟らかい感触と生温かい体温。


生まれて初めて男性のアレに触れてしまった……


「どう?」


どう?と言われても……なんとも言いようがない。だって、そもそも標準がどんなモノか知らないんだもん。だから率直に思ったままを聞いてみた。


「コレ、凄いんですか?」

「……凄いだろ?」

「どこが?どんなふーに?」

「ぐっ……」


おこちゃま詐欺師野郎の顔が見る見る内に引きつり青ざめいてく。するとその時、部屋の入り口の方から叫び声が聞こえてきた。


「ウギャ~!!鈴音ちゃんに陸君、何してんのー!!」