――――次の日の朝
島に居た時の癖がまだ抜けず、朝日と共に目覚めたのはいいが、何もすることがない。仕方ないので早々と会社に向かい壊れたドアの代わりに張り付けられていた段ボールを剥がし無事出社。
けど……9時を過ぎても誰も出社してこないじゃん!!どうなってんの?この会社。
それから30分……1時間…全く人が来る気配はなく時間だけが無情に過ぎていく。
「あぁ~待ちくたびれてお腹すいてきたー」
昨夜の食べ残しの惣菜を少し食べただけだからなぁ~
なんか食べる物はないかと辺りを物色してると社長のデスクの上に例のあのいかがわしいアメがあることに気付いた。
「変態アメか……まぁ、形はどうであれただのアメだ。一つ頂くとするか」
細い棒の先端に被せてある可愛いハートが散りばめられたナイロンの袋を外すと、なんとも異様な物体が顔を覗かせた。
「ウゲッ!これが男性のアレ?なんかグロテスク……」
暫しアメを眺めドン引き。しかし空腹には勝てず恐る恐るペロッと舐めてみた。
「んんっ?ばあちゃんお手製の黒砂糖アメより断然ウマい!」
ほんのりイチゴ味のソレは、思いのほか美味だったのだ。
すっかり変態アメだということを忘れ一心不乱にペロペロ舐めまくっていると、何か異様な視線を感じゾクリとする。慌てて顔を上げると……
「よう!いい舌使いしてるな」
昨日のおこちゃま詐欺師野郎がニヤニヤしながら立っていた。