オレは、きつく愛海を抱きしめた。

一度は諦めた想いだった。

愛海の事を考えるなら、諦めなきゃいけないと

心底思った。

だが、違っていた。


愛海も同じ気持ちだと言ってくれた。

その言葉があれば、もう何もいらない。

愛海がオレを愛してくれるなら、


オレも愛海だけを、永遠に愛する・・・



「愛海、お前を心から愛してる」

そう言って頭にキスを落とした。


すると、愛海はそっと上を見上げ、

涙目で微笑んだ。


「秀人兄さんを愛してる・・・

兄さんを愛してもいいんだよね?」

そう呟いた愛海は、訴えかける目をした。


オレは優しく微笑み頷く。

「当たり前だ・・・

血の繋がらない兄妹だったんだ…

オレと愛海の両親は、全く違う人たちだ。

誰が反対する事もない。いや、もし反対する者がいても、

オレは、愛海を離さない・・・」