「ここのシェフに、新入社員の貴女の話しをしたら、

この時間に来てくれたら、特別に入れてくれるって約束してくれたのよ」


「エッ?!」

キョロキョロと辺りを見回して見ると、

店の中には、・・・私と歩みの二人しかいなかった。


「普段この時間は、もう、ランチ終了の時間なの。

だから私と貴女の二人だけ」

そう言って微笑んだ。


「…シェフと、どういった関係なんですか?」

「…エ?あぁ・・・」

そう言った歩は答えようかどうしようか、悩んでいるようだった。


「歩は、私の妻ですよ」

そう言って入ってきたのは、このレストランのシェフ、

上野理人(うえのりひと)だった。


「妻?!」

「エへへ・・・そうです」

「今日は、ご来店、ありがとうございます。

料理はどうですか?」

笑顔で聞かれ、思わず背筋が伸びる。