「これくらいで疲れてちゃダメでしょ?

午後から、後6件は回ってもらうよ」


平然と答える歩に、目を見開いた。

…また笑われた。

「とりあえず、昼食でもとりましょうか?

もう1時回ってるわね…お腹すいたでしょ?」


「…はい、もう、ペコペコです」

私の言葉に、クスクスと笑いながら、一軒のお店に連れて行ってくれた。

洋食屋さん。

「ここのハンバーグが絶品なの。

しかもランチ価格だから、定食でも500円」


「エ?!そんな値段で食べられるんですか?

とても高そうな洋食屋さんなのに」


「でしょ?まぁ、夜は、高いんだけどね?

お昼はこの値段でやってくれるの。ただ、20組限定だから、

なかなかありつけないんだけどね」

「・・・でも、すんなり」

…入れたよ?

首を傾げる私に、歩はシーッと口に指をあてた。