もうやだよ。
貴方も傷つきたくないでしょ。
私も傷つきたくないんです。
だから離れて。偽善者の私から。
美咲ちゃんがいるでしょ?
加恋がいるでしょ?
どうして私に執着するの?
私はもう好きじゃないってあんたのことなんか嫌いだってそう言いたかったのに…
パタパタッ。
あーあ。裕二が来てしまった。
顔を上げたくない。
目を合わせたくない。
話したくないよぉ〜。
だってお互い苦しいだけじゃない。
『絢。』
裕二の声だ。
『……』
『絢っ。』
『……』
『絢っ!頼む返事してくれ!!』
『な…に。』
私の声はひどく掠れていた。
『絢。目を覚ましてくれ!』
『嫌。あんな世界になんかもう絶対に行かない。』
『何でだ?』
『あんたに絶望したから。』
『分かってる。でもっ!』
『だって裕二には…裕二だけには幸せになって欲しいから…
だから悪者で偽善者で最低で最悪な人間の私はいない方がいいの』
『そんなっ。』
『どうせ美咲ちゃんとラブラブしてるんでしょ?』
『は?』
『ラブラブしてるんでしょ!?美咲ちゃんと!!』
『してなっ…『もういいよ。もうたくさん。言い訳なんか聞きたくない!!』』
そういって私は耳を塞いだ。