次の日、私は裕二を呼び出した。
『ねぇ、裕二。絢のこと覚えてる?』
『えっと美咲をいじめたやつか?』
『まぁ…多分そう。』
『あいつ今度あったら殴ってやる。』
『絢、今学校来てないじゃん?』
『ああ。あいつ不登校か?』
『ううん、違う。不登校なんかじゃない。』
『じゃあなんだよ。』
『植物人間になってるんだ。』
『植物…人間?』
裕二は明らかに焦っていた。
『そうだよ。あの日から1度も目を覚ましてくれないんだ。』
『あの日から!?もうすぐ半年だろ!?』
『そうだよ。いつもいつも早く目を覚ましてってねがってるんだけどね…』
『医者は?』
『えっ?』
『医者はなんて言ってるんだ!』
『お医者さんは絢はこの世絶望していて目覚めたくないんじゃないかって。』
『でも、もう俺も関係無いよな?』
『……ひっ。……絢は……ずっとずっと1人で………苦しんで…来たのに。
ま…だ…絢の気持ちを……無視するの?』
『でも、きっと絢の絶望の原因は俺だから!俺があったらまた絢を悲しませる。だから…『裕二はそうやって無視するんだ!ずるいよ!だから絢が悩んだりしてまた拒食症起こしかけてたんだよ!』』
『絢が?』
『お願い。もう目を覚まして!美咲ちゃんには騙されてるだけだから!
私、みたんだ。あの日、美咲ちゃんが裕二に抱きしめられながらこっちを見てあざ笑っているところを。』
『本当なのか?』
『本当だけどどうせ信じないでしょ?』
『いや。なんか目ぇ覚めた。ありがとうな。じゃあな。』
『バイバイ。』