『んっ。』

眩しい。白い天井に白いベッド。

白いカーテンに白い服。

またあの真っ白な世界かなとそう思ったが何かが違う。


私はゆっくりゆっくり起き上がった。

私の体は随分と使っていなかったみたいに節々が痛む。

周りを見てみると窓から見える、
青い青い澄んだ空。

そして…オトコノコ。

誰?この男の子は?

誰?きっと大切な大切な人。

『んっ。』

どうしよう。長い長い睫毛が揺れる。

『あ……や?』

『…そうだよ。』

『良かった!絢!』

男の子はそう言いながら私に抱きついた。

私はとりあえず笑った。

『絢。どっか痛くない?』

『あっ。だっ大丈夫。』

気づけば私はジッと男の子を見ていた。

誰だっけ?絶対に知った人なのに名前がわからない。

『ん?絢?俺の顔に何かついてる?』

『ねぇ……。あなた誰……?』

『えっ?』

男の子は困惑の表情を浮かべている。

『絢?冗談はやめてくれよ。』

『本当にあなた誰?私、あなたと知り合いだったっけ?』

誰?私、何か忘れてる?

『あっ!俺、みんなに絢が起きたって連絡いれてくる。』

男の子は急いで部屋を出て行った。