『絢っ!』

『絢ちゃんっ!』

『加恋、美咲ちゃん。ごめんね…

ごめんね。

全然説得出来なかったよぉ〜』

『絢っ!!もうそんなんはいいから!自分のこと、ちゃんと考えてよ!』

『そうだよ!!絢ちゃんはいっつも自分を後回しにして!』

『でもっ!『辛いでしょ?苦しいでしょ?
絢ちゃんは抱え込みすぎなんだよ!』』

『絢!1人で背負うよりみんなで背負ったほうがいいだろ?』

『本当にいいの?』

いいのかな?甘えても。

『『『当たり前っっ!』』』

涙がぶわっっと溢れてきて、嬉しい気持ちが全身を駆け巡る。

『ありがとぉ。ごめんねぇ。私…
私…美咲ちゃんを守れなかったよぉ。』

『馬鹿か!また怪我するとこだったんだぞ?あいつは平気で人を傷つけられて女の子だって容赦はしないんだ!

だから下手したら骨を折っていたかもしれないだぞ?』

『絢!もうやめて!1人で突っ走って行かないで?私達がいるじゃない!』

『絢ちゃん。私はもうちょっと頑張れるから、まずは自分の体のことをちゃんと考えて?』

『わかった。ありがとう。みんなぁ。』

みんなは優しいから、私は甘えきってしまう。

でも裕二は許してくれる。

だからもうちょっとだけ頑張ろう。

キーンコーンカーンコーン。

チャイムがなった。

『じゃあ、私はこれで帰るわ。』

『私も。裕二は絢を送って行って。』

『わかった。絢行こう。』

『うん。バイバイ!美咲ちゃん!加恋!』

『バイバイ。また明日!』

『うん!』

私と裕二はゆっくりゆっくり家に帰った。

裕二が帰り際に明日朝、迎えに来るから。そう言って帰って行った。