ズルズルッ。

私はその場に倒れ込みうずくまる。

とても遠くでチャイムが鳴った気がした。

でも、今は体が動かない。

完全に腰が抜けてしまった。

あーあ。裕二が来ちゃう。早く立って歩いて…教室に行かなきゃ…。

パタパタッ!

『っ!!』

誰?多分授業が始まってるから、裕二じゃない。

ガラガラッッ!



バンッッ!

『っ!!』

私は肩を揺らした。まだ入ってきた人には見えないだろう。

私は背が低いから。机の陰に隠れる感じになってる。

『絢っ!大丈夫なのか?』

裕二だ…。どうしよう。声も出ない。

コツコツ。

だんだんこっちにやってくる。

『絢?そこにいるのは絢なのか?』

私は顔をあげた。

そうすると裕二と目が合った。

『ゆ…じ。』

『絢!大丈夫か!?何かされたのか?』

『裕二…。怖かった。怖かった…よ。』

『絢。もう大丈夫だ。』

『何にもされてない。ただ肩を打ち付けてこれ以上踏み込むな。踏み込めば殺すって言われただけ。』

『怖かったな?大丈夫。俺がいるだろ?』

『うん。裕二、大好き。それより授業は?』

『あ…忘れてた…。』

『はぁ。そんなことだろうと思ったよ?

いっしょに行こ!』

『まて!屋上に行くぞ!』

『ふぇ?』

『美咲と、加恋が待ってる。』

『うん!ありがとう。』

『じゃあ行くか。』

『ん!』

私達は柔らかい昼の日差しを浴びながら屋上へと続く階段を駆け上がった。