許さない。

私は周りを見回した。

すると意外に早く美咲ちゃんは見つかった。

私は美咲ちゃんの方に足を向け歩き出す。

そして美咲ちゃんの真ん前に立った。

美咲ちゃんは困惑した表情を浮かべている。

『ふふっ、美咲ちゃん、探したよ。』

『は?』

『まさか絢を殺してただで済むなんて思ってた?』

『は?』

『私が復讐する。』

『えっ?』

『絢が感じた苦しみを思いしれっ!!』

『は?あいつが邪魔するからじゃない。』

『は?』

『裕二は私のものなのにっ!のうのうと現れてっ!!挙句の果てには私から完全に裕二を奪ったからじゃないっ!!』

『だから殺したの?』

『そうよっ!!』

『酷いよ。』

『は?意味わかんない。』

『許さない。』

私はバックから包丁を出す。

でもその瞬間…。

『加恋っ!やめろっ!』

『えっ…?』

私が振り向くとそこには…


裕二がいた。

『絢はそんなこと望んでないっ!!』

『っでも…。』

「そうだよ。」

『えっ…。』

後ろから絢の声が聞こえた。

裕二を見ると私の後ろを見て、目を見開いている。

「ダメだよ、美咲ちゃんにも辛いことはたくさんあったんだから。」

『っ!でもっ…、絢は殺されて悔しく無いのっ?!』

「悔しいよ?でもね…、私きっとそれ以上に美咲ちゃんを傷つけたんだ。」

『えっ…。』

「美咲ちゃん…、ごめんなさい。

私邪魔だったよね?

私が居なかったら今頃2人は幸せだったのにね。」

『そんなっ。』

「ごめんなさい、私いっぱいいっぱい傷つけたよね。

でも加恋がしたことは許してあげて。」

『こちらこそ、ごめんね?

私勘違いしてた…、多分もう私と裕二が付き合うことは無いんだ。』

「えっ…?」

『絢ちゃんってこんなにも良い人なのに…、私なんで気付かなかったんだろう。


ごめんねぇっ…、私絢ちゃんを殺しちゃったよぉっ。』

美咲ちゃんは泣いていた。

その涙はとてもキラキラしてた。