もうダメなのかっ…?とか思い始めた頃、絢は目を覚ました。

『絢!!』

『ゆ…じ?』

『良かった…。』

『ごめっ…なさい。』

『馬鹿っ!お前、俺がどんだけ心配したかわかんねぇだろっ!』

『ありがとう…、あのさ加恋にお幸せにって言っといてもらえないかな?』

『は?お前が直接言えばいいだろ?』

『無理だよ…、私もう少ししたら死んじゃうの。』

『は?どういう意味だよっ!』

『分からないけど、今日が峠だろうから。』

『やだよっ!!やっと目ぇ覚ましたのに!?』

『っ!……ゔっ…。』

絢は突然苦しみ出した。

そして、息を切らしながら…。

『ごめっ…ね?
突然っ……いなくなるのっを…、

許してっ…ね?』

そう言って絢はゆっくりと目を閉じた。

そしてピーーッと言う機械音が聞こえた。

俺は何度も何度も絢の名前を呼び、何度も何度も絢の身体を揺すった。

でも…、もう2度と目を開けることはなかった。

さっきまで温かかった手がどんどん冷たくなり、さっきまで健康的な色だった顔色もどんどん青白くなっていった。

俺は泣いた。

苦しくて、辛くて泣いた。

しばらくして、絢の家族が来た。

そこには愛の姿もあった。

愛は俺に何があったのっ!?ってすがりついてきた。

でも爽太が引き剥がした。

俺はそのやりとりを他人事のように見つめた。

そして爽太は俺に小さな箱をくれた。

爽太は、絢がずっと握りしめていたものだ。と言ったから俺はゆっくりと開いた。

すると俺が絢にあげようとしたものの男物のネックレスが入っていた。

それを見て、俺はまた泣いた。

絢っ…、ごめんな。

俺がプレゼントなんか買いにいったから。

ごめんなぁっ…。