私達はそのあとご飯を食べて、いろいろなアトラクションに乗り、やがて帰る時間になった。

『裕二…。』

『ん?』

『観覧車乗らない?』

『かっ…観覧車!?』

『ダメ?』

『観覧車かぁ…、久しぶりに乗るか。』

『ん。』

私達は観覧車の方へと急いだ。

『2名様ですか?』

『はい。』

『ではどうぞ。』

『ありがとうございます。』

私達はゴンドラに乗り込んだ。

ゴンドラの中はとても静かでそこだけ時が止まっているような気すらする。

この沈黙が痛いな…。

と私は密かに思っていた。

『絢。』

『何?』

『この観覧車にはジンクスがあるんだ。』

『へぇ、何?』

『このゴンドラが1番上に来た時にキスをすると、その2人は結ばれるんだと。

でも条件があって、後ろにちょうど夕陽が沈むぐらいじゃ無いといけないらしい。』

『そうなんだ。』

私はそう言って窓から外を見ると私達が1番上に行く頃にちょうど良く、沈むぐらいじゃないかなとおもった。

『俺はそのジンクスを信じてやってみたいんだけど。』

『もちろん、私も賛成だよ?』

『良かった。』

再び沈黙が流れる。

そして、しばらくしてその時はやって来た。

『絢。』

『はい?』

『好きだ。』

『私も、大好き……。』

私が大好きと言ったその瞬間裕二はキスをしてくれた。

そしてそっと唇が離れる。

私はすごく嬉しかった。

そして、観覧車の一周が終わった。

そして私達はまっすぐ家にかえった。

私はその夜あんまり眠れなかった。