もぉ…、やだよおっ!
出口はどこっ!?
いつになったら出られるのっ!?
私は少し拗ねながらもちゃんと進んでいた。
すると、私はフッと思った。
あれ?さっきから全然お化けが出て来ない。
『ねぇねぇ…。』
っ!?
今…、ねぇねぇって…聞こえたよね?
『ひっ…、きゃああっ!!』
そこにはおかっぱの髪に白いブラウスに赤いスカートを履いた女の子が立っていた。
ねぇ…、この子ってまさか…、
…花子さん?
『一緒にあそぼぉ…♪』
その花子さんみたいな女の子は私に手を伸ばしてくる。
そして…、私の手が女の子の手に触れる…。
その瞬間寒気が身体中を駆け巡った。
女の子の手はあり得ないほど冷たかったのだ。
『いやあぁっっ!!触らないでぇっ!』
『あそぼぉよぉ。』
『嫌だってばぁっ!!』
私はそう言って逃げ出した。
そして私は後ろからおって来てないことを確認して、息を整えながら周りを見渡した。
ねぇ…、どうして誰もいないの?
トントンッ。
私はまた肩を叩かれた。
『いやあぁっ!もうやめてよぉっ…。』
私はそう言って泣きながらしゃがみ込んだ。
『絢っ、俺だよ。』
『ふぇっ…?』
『俺だよ、俺。』
『グスッ…、裕二?』
『そーそー。』
『うわぁんっ!裕二の馬鹿っ!!置いて行かないでよおっ!』
『悪かったって、まさかお化け屋敷が苦手なんて知らなかったから。』
『怖かったんだからね?』
『悪かったって。』
『グスッ…。』
『あっ…、そー言えば、もう昼だぜ?』
『ふぇっ…?もうっ!?』
『ああ。』
『あっ…、そー言えばお腹空いたかも。』
『ぶっ…、かもってなんだよっ!』
『んもぉっ!別に何でもいーじゃん!』
『分かった、分かった。
とりあえずここから出るか。』
『ん。』
『んっ。』
『ふぇっ…?』
『またはぐれないように、手繋ぐぞ。』
裕二は恥ずかしいのかそっぽを向いた。