ダメだなっ、いつだってマイナス思考になっちゃう。

私の昔からの悪いくせ。

何度直そうとしても治らない癖。

でも、それってあってるよね?

私誰にも必要とされてないもん。

『誰にも必要無いよね…、私なんて。』

『ーーーー?』

あれ?裕二が何か言ってる?

『私は代わりだもんね…。』

私は無意識で思っていたことを口に出していたのを気づかなかった。

『あ…?……あや…絢?……絢っ!』

『ふぇっ?なっ何?』

『必要無いって何だ?代わりってなんだ?』

『えっ…と、何でもないよ。』

あれ?私声に出してたんだ。

しかも裕二に聞かれちゃうなんて。

『何だ?言ってみろ。』

私は裕二のまっすぐな瞳に見つめられ、何も言えなくなった。

私は視線に耐えきれず俯いた。

『絢!!はっきり言え!じゃ無いとなんにも解決してやれねぇだろ?』

『………でしょ?』

『は?』

『だって誰にも必要無いでしょ?私なんて。』

『は?』

『それに…、私は……私は…



美咲ちゃんの代わりだったんでしょ?』

『えっ…?』

『分かってた、そんなの…。

裕二は美咲ちゃんが好きなんでしょ?』

『はっ…?えっ…?』

『だったらこんなところで道草食ってないで、早く美咲ちゃんのところに行ったら?』

『ちょっ!』

『私は大丈夫だから…、ね?』

『大丈夫?何が大丈夫なんだ?』

『美咲ちゃんを誰よりも幸せにっ…『馬鹿、お人好し。』』

『えっ…?』

『何で泣いてんだよ。』

『えっ…?』

私は自分で自分の頬に触れた。

すると暖かい雫が手についた。

『お前は勘違いし過ぎてる。』

『はっ?』

『俺は…、絢が必要だ…。』

『どうして…?』

『それに、絢は美咲の代わりじゃ無い。』

『何で?』

『何で?それは絢が…




好きだから。』

『えっ…?』

『俺が別れようって言ったのは…、

悠斗と話している絢が楽しそうに笑ってたから。』

『えっ….?』

『本当は…、好きだった。』

裕二はそういいながら私を抱きしめた。

でも、それを…、ある人が見ていたなんて私達は知らなかった。