裕二side


まただ…。

また絢を泣かせてしまった。

絢は目からボロボロと涙を流し、それでも我慢しようとしているのか唇を噛み締めていた。

絢は前からそんなにワガママを言わない。

それどころか自分の持っているものを他人のために使おうとするほどだ。


本当にお人好しだ。


だからごめんなって謝ったのに絢は別の意味に捉えたのか、走って逃げて行った。

俺は一生懸命追いかけたがあとちょっとと言うところで逃げられた。

美咲とはただ、親が居るからって来ただけなのに…。

俺は絢への誤解を早くときたかった。