絢side


悠斗はちょっと爽太さんと愛お姉ちゃんと出かけてくるようだ。

屋敷には私と碧さんとメイドさん達。

碧さんは自分の仕事をしているから部屋には私だけ。

私は忘れられない想いだけを募らせながら声を押し殺し泣いた。

苦しかった。

もう限界だった。

私の光…いや、私の太陽だった裕二がいなくなって、私の心はどんよりと曇ったまま。

一筋だけ光る、光。

それが悠斗。

裕二に貰った好きって気持ちはどこにしまおうか?

裕二のためにこんなに涙を流してる。

悲しい…、苦しい…、辛い。

その感情が私を支配する。

忘れたいのに…、忘れられない。

声を押し殺し泣いていたのに嗚咽が漏れる。

涙は溢れて止まらない。

早く止まって…。

私はただそう祈った。

まだ…、好きでもいいよね?

想うだけなら許されるよね?

私は裕二への想いに蓋をした。