チュンチュン。
眩しい…。
私はゆっくり目を開けた。
相変わらず無駄に大きなベッドで目が覚める。
悠斗は…まだ寝ている。
私は何にもかけていない悠斗に、私が今迄かけていた薄い毛布をかけてあげた。
今みれば、悠斗はむちゃくちゃカッコいい。
私はしばらく悠斗を見ていた。
何で私の周りはカッコいい人と可愛い人に溢れてるわけ?
敦兄も裕二も爽太さんも悠斗もカッコいいし、加恋や美咲ちゃんや愛お姉ちゃんも可愛い。
私、可愛くないんだから浮くじゃない!
と、心の中で思う。
私は再び悠斗を見た。
寝顔は可愛い。
しばらくすると瞼がピクッと動いて目を開けた。
私はびっくりして目を見開いた。
悠斗はぼんやりと私を見ていたがやがてハッっと目が覚めたようで慌てて両手で顔を隠していた。
『絢ぁ!いつから見てたんだよ!』
『えっと…、30分ぐらい前から?』
『はぁ?恥ずい…。
ってか起こせよ!』
『えぇ〜、可愛かったんだもん。』
『可愛かったんだもん、じゃねぇし…。』
『ぶぅ…。』
私は頬を膨らませた。
『っ!ごめん!悪かった!!』
『むぅ!!許さない!』
『ごめんって…、立場逆じゃね?』
『あっ!そーだね。』
私達は顔を見合わせ笑った。
悠斗が笑った顔は無邪気で幼く見えた。
可愛い…と思ったことは秘密にしておこう。
また繰り返しになっちゃうから、ね?
『腹減った。』
『えぇ〜、昨日いっぱい食べてたじゃん!』
『昨日は昨日、今日は今日!!』
『まぁ、私も空いたけど…。』
『じゃあリビング行くか。』
『わかった。』
私達はゆっくりとリビングに行った。
リビングには碧さんがいた。
『あっ!碧さん!!』
『絢さん、昨日はよく眠れましたか?』
『はい!とっても。』
『良かったです。悠斗様はどうでした?』
『絢にバッチリ寝顔を見られた。』
『さようでございますか。絢さんナイスです!』
『ですよね!』
『おい!!ナイスですってなんだ?ナイスですって!!!』
『悠斗様の寝顔はレアですからね。』
悠斗の寝顔はレアなんだ。
『とっても可愛かった。』
『絢ぁ…、やめてくれ!』
『おい!朝からうるせぇよ!!』
『爽太様、それに愛様も。』
『あーあー!すみませんでしたね!居候がうるさくて!』
『全く!』
『居候?』
『あー、絢ごめんけどさぁ今日からここで暮らしてよ。』
『えっ…?悠斗はOKしたの?』
『ああ、したよ?』
『なら、私もOKだよ?』
『ありがとう!』
『とにかく朝ごはん食わせて…。
腹減って死にそう。』
『俺も。』
『昨晩のカレーがまだ残っていると思いますので、温めてきますね。』
碧さんがそう言ってキッチンの方へと出て行った。